オクロ鉱山

 オクロ鉱山 
 
大阪市立科学館1階「電気とエネルギー」フロアーの一角、
モニターに釘付けになった展示物がありました。
 
昔々その昔、アフリカのガボン共和国にあるオクロ鉱山で、
原子力発電のエネルギー源であるウランの核分裂の臨界現象が、
自然界で起こった場所として紹介されています。
 
核分裂が原子炉内じゃなく自然界で起きた!。
それじゃ地球は・・・・・。
 
天然ウランは地球上どこでも同位体元素の割合は一定で、
核分裂するウラン235は、ほぼ0.72%で、残りが燃えにくいウラン238です。
原子力発電所ではこのウラン235を3%くらいまで高濃度に濃縮して使用しています。

ところがガボン共和国のオクロ鉱山のウランは、
ウラン235の含有率が極めて低かったのです。
しかもウランの核分裂が起こった後に生成できる物質、
ランタン、セリウム、ネオジムなどの希土類、モリブデンヨウ素などが大量に確認されました。

ウラン235半減期は7億年、ウラン238は45億年です。
つまり地球誕生のころはウラン235が大量に存在していたが、
場所によっては自然に核分裂が進行し、
現在のように少なくなってしまったのではないか、というのです。
 
この仮説は1956年にアーカンソー大学の日系物理学者P クロダ博士が唱えた仮説で、
当時はほとんど信じられなかった説でしたが、
このオクロ鉱山の発見で、この説は事実であると証明されました。
 
今から17億年前に、オクロ鉱山一帯には大量のウラン鉱脈があり、
地中で水に溶けたウランやプルトニウムが一個所に一定量以上集まり濃縮され中性子が飛び出し、
核分裂が始まります。核分裂は数百万年も続きました。
核分裂すればウラン235は消費され少なくなります。
 
オクロ鉱床のウラン鉱石中ウラン235ウラン238に対する比率が
通常のサンプルに対し0.440%低く、
ほかの鉱床とは異なることが判明し、
核分裂を起した鉱床として密閉保存されています。
実に興味深い!。
 
イメージ 1
DMC-GX7 + LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH./POWER O.I.S.
TV 60 AV 2.8 ISO 1000 焦点距離 24 mm
 
 
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